1、 技術紹介
(1)HDOの構造
ヘテロ2本鎖核酸(HDO)は、アンチセンス鎖(DNA
アンチセンス鎖(DNA鎖) : 薬効として機能する
キャリアー鎖(RNA鎖) : アンチセンス鎖(薬効)の疾患部位への運搬として機能する
Ligand(リガンド) : 特定の受容体に特異的に結合する物質をキャリアー鎖に結合することでターゲットとなる疾患部位への運搬として機能する
(2)HDOの作用機序
Step1
細胞内に取り込まれたHDOは、RNaseH(酵素)によってキャリアー鎖(RNA鎖)が切断されます。
Step2
切断後に残ったアンチセンス鎖(DNA鎖)が、ターゲットであるmRNAと結合します。
Step3
アンチセンス鎖(DNA鎖)がmRNAと結合することで、再びDNA/RNAの構造となり、RNaseHによってターゲットであるmRNAが切断されます。
Step4
mRNAが切断されることで、mRNAの発現が抑制され、薬効が発揮されます。
※RNase H は、DNA/RNAで構成される2本鎖のうち、RNAを切断する性質を有する。
(3)ヘテロ2本鎖核酸(HDO, Hetero-duplex oligonucleotide)技術の強み
HDOには、以下に挙げる強みがあります。
- キャリアー鎖にリガンドを結合することで、このリガンドと細胞表面に発現している受容体との結合を介して、アンチセンス鎖を標的疾患部位に選択的に届けることができるため、高い薬効が得られる。
- HDOの場合はリガンドがキャリア鎖に付与されているため、活性本体であるアンチセンス鎖によるノックダウン活性の阻害が起こりにくい。
- HDOは細胞内で1本鎖のASOと異なるタンパクと結合するため、ASOより核内移行性が高い。したがって、ノックダウンとエクソンスキッピングの両方で有利な技術である。
- キャリアー鎖へリガンドを結合する際に用いるリンカーを、あえて切れやすい構造にする必要がない。
- キャリアー鎖に結合するリガンドの位置や数を自由に選択することができる。
(4)リガンドライブラリー開発
- 当社は、リガンドを使用したHDOのデリバリー技術としてリガンドライブラリー開発を進めております。主に骨格筋、心筋、免疫細胞、中枢系、肺、腎臓を標的とするリガンド開発に注力しています。
- リガンド開発事例を以下に示します。
(5)HDO技術の概要説明資料
HDO技術の概要説明資料は、こちらをご覧ください。
2、 事業内容の紹介
(1)ビジネスモデル
私たちは、以下3つの事業内容を展開しています。
①ライセンス事業
②共同研究開発事業
③HDO製造事業
(2)事業内容
①ライセンス事業
ライセンス事業は、HDO基盤技術やその改良技術の知的財産をライセンスアウトする事業形態です。
②共同研究開発事業
共同研究開発事業は、標的遺伝子に対するHDO化合物群を当社にて試作・提供し、最適化した化合物を選定・導出する事業形態です。
③HDO製造事業
HDO製造事業は、お客様が指定した標的遺伝子に対して、HDO技術で化合物群を研究開発用としてのみ製造・供給販売する事業形態です。
- HDO核酸研究用試薬の供給販売
- ※HDOのお試しが可能です(30mgまで):ニッポンジーンマテリアル(国内アカデミア向け)、日本触媒(国内外のアカデミア・企業向け)から購入可能となっております!
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