第3のプラットフォーム技術で実現する新しい核酸医薬品の創製
核酸医薬品への期待
医薬品市場において、癌や難病をはじめとしたアンメットメディカルニーズに応えるべく、核酸医薬品への注目が集まっています。
これは、核酸医薬品が以下に挙げるような利点を持つためです。
- 従来の医薬品では狙えなかった細胞内の標的分子を創薬ターゲットにすることが可能
- 対象遺伝子の発現部位に核酸をデリバリーする技術さえあれば、どの遺伝子でも創薬研究が可能
- 低分子化合物よりも特異性が高く、副作用が出にくい
- 抗体医薬品とは異なり、核酸医薬品は化学合成で比較的安価に製造することが可能
核酸医薬品の課題
しかし、既存の核酸医薬品には、以下に挙げられる課題があるため、これまでは実用化の可能性は限定的と見做されていました。
- デリバリーの課題:疾患部位へ薬を届けることが難しい
- 毒性の課題:主に肝毒性などの副作用がある
- 血中安定性の課題:投与後に酵素などの働きにより血中で分解されてしまう
ヘテロ核酸技術による解決
東京医科歯科大学の横田隆徳教授らにより開発されたヘテロ核酸(HDO, Hetero-duplex oligonucleotide)は、これらの課題を抜本的に解決できる可能性を秘めています。Ionis Pharmaceuticals, Inc(ASO)、Alnylam Pharmaceuticals, Inc(siRNA)に次ぐ第3のプラットフォーム技術を確立し、新しい核酸医薬品の創製に貢献することを通じ、一日でも早く患者さまに治療薬を届けることを目指します。